「文化活動」と「芸術」

  • 2018.03.01 Thursday
  • 16:24

 

今日は、「文化活動」の在留資格(以下、「文化活動ビザ」)と「芸術」の在留資格(以下、「芸術ビザ」)について触れてみたいと思います。

ちなみに、「芸術ビザ」は就労ビザの一つですが、「文化活動ビザ」は就労ビザではありません。

文化活動ビザ」は、大きく以下の2つに分類されます。

 

(1)収入を伴わない学術上若しくは芸術上の活動を行おうとする場合、

または、

我が国特有の文化又は技芸について専門的な研究を行おうとする場合

 

(2)専門家の指導を受けて我が国特有の文化又は技芸を修得しようとする場合

 

まず、(1)を見ると、“芸術”という言葉が入っていますが、

前述したように、「文化活動ビザ」は就労ビザではないので、“収入を伴わない”という定義がされていますね。

つまり、“芸術”に関する活動であっても、

収入が伴う場合は「文化活動ビザ」ではなく「芸術ビザ」に該当する可能性が高くなります

 

また、(1)でも(2)でも、“我が国特有の文化または技芸”とありますが、

これは、具体的には、

生け花、茶道、柔道、日本建築、日本画、日本舞踊、日本料理、邦楽などのほか、

我が国固有のものとはいえなくても、我が国がその形成・発展の上で大きな役割を果たしているもの、例えば、禅、空手等が含まれる

とされています。

 

 

一方、「芸術ビザ」は、

収入を伴う音楽,美術,文学その他の芸術上の活動(在留資格「興行」に係るものを除く。)

とされています。

収入を伴う”とあるように、

活動に対して何らかの収入が伴う場合は、「芸術ビザ」に該当するというわけです。

※「芸術ビザ」と「興行ビザ」の違いについては、また後日触れますね。

 

 

さて、例えば、アメリカ国籍の男性(仮にアレックさんとしましょう)が、数年にわたり本国で「空手」を学んできましたが、

日本で空手を学んでみたいと思い、専門家の指導を受けるために「文化活動ビザ」で来日したとします。

来日前から何年も空手を学んでいたアレックさんは、来日後もとてもまじめに稽古に取り組み、

「空手」の指導者としてやっていけるほどの実力を身につけました。

そして、日本での生活が気に入ったアレックさんは、できればこのまま日本に残り、

専門家の指導を引き続き受けながらも、なんとか空手を教えながら生活していく道はないかと考えました。

そこで、空手教室を開くことについて、近所の友人や知り合いに声を掛けたら、

「英語で空手を教えてくれるなんて、英語も空手も学べて一石二鳥でいいわね!」

と、近所の幼い子供を持つ母親たちに歓迎され、是非やってほしいと言われました。

 

この場合、アレックさんのビザはどうすればいいのでしょうか?

現在の在留資格は「文化活動」です。

しかし、教えながら収入を得ていくのであれば、「芸術」の在留資格に該当してくる可能性が高くなります

 

「芸術ビザ」の申請をするためには、自分が得る予定の報酬がいくらになるかを説明する必要があります

「芸術ビザ」は、雇用主やスポンサーがいなくても、自身で申請することが可能です。

アレックさんの場合、どこかの空手教室に雇われるのであれば、雇用契約書等で説明することができますが、

自分で教室を開く場合、想定される生徒数や報酬、費用を計算して、簡単な収支見込等を提出できるとベターです。

 

また、引き続き専門家の教えを請いたいということですが、

二つの在留資格に該当する活動を並行して行う場合、その種類によって、“メイン”となる在留資格を申請するのが一般的です。

この場合ですと、おそらく空手教室がメインとなり、専門家のもとで学ぶのは今までよりも頻度が減るでしょう。

よって、「芸術ビザ」を申請することになるでしょう。

 

 

ところで、「文化活動ビザ」ですが、

申請時の必要書類として、「業績を明らかにする資料」というのがあります。

これは、例えば、関係団体からの推薦状や、過去の活動に関する報道記録、入賞・入選等の実績、過去の論文や作品等の目録、が該当します。

つまり、来日前からある程度の経験や実績を積んでいることが前提となっているのです。

 

アレックさんの場合、来日前から「空手」の練習に励み、試合にも入賞するほどの腕前を身につけていました。

しかし、そのような経歴もなく、ただちょっと興味を持った人が、ある日思い立って「日本に行って空手やりたい!」と言っても、

「文化活動ビザ」を取得するのは難しいでしょう。

そんな方は、まず「短期滞在」で来日し、教室に通ってみて、体験してみる、という方が実情に即していそうです。

 

 

次回は、「芸術ビザ」と「興行ビザ」についてお話する予定です。

 

 

 

 

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