外国人家事支援人材の在留資格について

  • 2018.03.22 Thursday
  • 11:00

 

前回に引き続き、外国人の家事支援人材についてです。

2回目の今回は、家事支援人材に求められる要件について、ご紹介していきます。

 

まず、本事業により“家事支援外国人”が従事できる範囲は、以下のように定められています。

(国家戦略特別区域法施行令より)

 

主業務として挙げられるのは、

1.炊事

2.洗濯

3.掃除

4.買い物

の4点です。

 

それ以外に、上記の業務に付随的に実施されるもの(つまり単独ではNG)として挙げられるのが、

5.児童の日常生活上の世話及び必要な保護(世話や送迎等)

6.家庭において日常生活を営むのに必要な行為

  ※裁縫、荷造り、郵便・宅配等荷物受取、寝具の整備、庭の手入れのほか、

   利用世帯において上記3(掃除)と一体的に提供される修繕サービスを含みます。

  ※入浴、排せつ、食事等の身体介護を提供する行為は、含まれません。

  ※室内移動・外出・着替え等の補助や配膳は認められます。

になります。

 

また、この在留資格を得るための要件は、

(1)満18歳以上

(2)家事を代行し、又は補助する業務に関し一年以上の実務経験を有し、

   かつ、家事支援活動を適切に行うために必要な知識及び技能を有する者であることとなっています。

 

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“一年以上の実務経験”とは、

人材育成機関が発行する証明書等又は履歴書により、1年以上、家事支援活動に関し、社員として企業に雇用され、

又は利用世帯に直接雇用された実績が確認できる者をいいます。 

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また、“必要な知識及び技能”の一つとして日本語が挙げられますが、

家事支援人材に必要な日本語能力について、

だいたい「日本語能力試験(JLPT)」N4程度とされています。

(N4がどの程度かというと、日本語を勉強し始めて3~6か月(学習時間400時間)程度です。)

しかし、以下の 銑の全てを満たす場合は、この限りではありません。

 

_隼支援外国人の日本語能力について、

 契約時に利用世帯に十分説明し、当該利用世帯と明示的に合意した場合

特定機関・利用世帯・家事支援外国人との間で、

 日本語以外の言語を用 いて十分な意思疎通ができる場合

F国前後、家事支援活動を開始する前に、家事支援外国人に対し、

 警察や消防への通報など、緊急時の対応に関する研修を受講させている場合

 

 

更に、他にも以下のような規制があります。

・利用者の家への住み込み禁止

・事業実施区域(特区)以外の区域への派遣禁止

・利用者の指揮命令下での労働禁止

・短時間労働の禁止(原則フルタイム勤務、直接雇用)

 

 

 

以上が、外国人家事支援人材本人に対するだいたいの要件になります。

 

いかがでしょうか?

家事支援人材に課される要件としては、さほど高くないハードルように思えますね。

 

 

 

 

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外国人家事支援人材の在留資格について

  • 2018.03.15 Thursday
  • 10:30

 

2016年、女性の活躍推進や家事支援ニーズへの対応、中長期的な経済成長の観点から、

国家戦略特別区域内において、試行的に、家事支援外国人受入事業が始まりました。

 

事業開始から約2年、

要件と現状、及び今後の展望について、4回にわたりコラムを掲載していきます。

 

 

現政権は、発足当時から女性の活躍を言い続けていますが、

現実はスムーズに女性の社会進出が進んでいるわけでもありません。

しかし、共働き家庭が増えているのは確かで、

あるデータによると、2014年の共働き家庭は1,100万世帯をこえており、

とっくの昔に専業主婦家庭の世帯数と逆転しています。

 

しかし、共働きであっても、まだまだ家事・育児の負担は女性の方が圧倒的に大きいのが現実です。

そこで、“女性の活躍推進”とあるように、

家事・育児を外注することで家庭内における女性の負担を軽減し、その分社会で活躍してもらおう、

という政策の一つが、この家事支援外国人受入れ事業というわけです。

 

ここ数年、共働き家庭の増加に伴い、

ダブルインカムにより経済的にやや余裕のある家庭を中心に、家事のアウトソーシングが増え続けています。

最近は、共働き家庭に限らず、高齢者のいる家庭や一人暮らしの家庭にまで、利用者が広がっているそうです。

 

さらに、家事のアウトソーシング増加の背景には、

これまでは家事・育児は家庭内で担うものという意識が一般的でしたが、

社会のライフスタイルの変化に伴い、家事のアウトソーシングに抵抗感が薄くなり、

ハードルが低くなっているという意識の変化もあります。

 

家事代行業については、経験豊かなシニア層の人材活用という観点で、

以前より話題にはなっていました。

今回は、その対象が、外国人にも広がったというわけです。

なにせ、現政権は、「女性」「シニア」「外国人」を今後の労働に担い手として、

どんどん活用していく方向みたいですから。

 

さて、本事業の背景や需要について述べてきましたが、

つまるところ、本事業の要は、家事支援外国人受入事業(以下、本事業)が開始されたことにより、

日本の家事代行業者において外国人を雇い入れることが可能になった

ということです。

 

“家事支援”と聞くと、これまで既に存在した在留資格「特定活動(家事使用人)」と似ている感じがしますが、

求められている要件や雇用機関について明確な違いがあります。

 

次回は、本事業により定められている“家事支援外国人”の要件について、

ご紹介していきます。

 

 

 

 

 

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「芸術」と「興行」

  • 2018.03.09 Friday
  • 10:00

 

 

前回予告したとおり、今回は「芸術」と「興行」の在留資格(以下、「芸術ビザ」と「興行ビザ」)についてお話します。

 

芸術ビザ」は、前回も触れたとおり、

収入を伴う音楽,美術,文学その他の芸術上の活動(在留資格「興行」に係るものを除く。)

とされています。

 

一方、「興行ビザ」は、ざっと以下のような活動をする場合が該当してきます。

(もっと細かく分かれていますが、簡単にいうと以下のような活動です)

(1)演劇、演芸、歌謡、舞踊又は演奏の興行に係る活動を行おうとする場合

(2)上記以外の興行(スポーツなど)に係る活動を行おうとする場合

(3)次のいずれかの芸能活動を行おうとする場合

商品又は事業の宣伝に係る活動

・放送番組(有線放送番組を含む。)又は映画の製作に係る活動

・商業用写真の撮影に係る活動

・商業用のレコード、ビデオテープその他の記録媒体に録音又は録画を行う活動

 

ここで疑問です。

そもそも(1)や(2)にある“興行に係る活動”って何?

一般的には、

「ひとつの会場に大衆を観客として集め、観客から入場料等の料金を取って、演劇や恩局、映像等の娯楽を提供する行為、あるいはその内容自体」

とされています。

 

具体的には、コンサート公演、オペラ公演、プロ野球選手やプロボクサー等の活動も“興行”に該当します。

 

また、(3)にある“芸能活動”ですが、

これは、コンサートやテレビ出演、映画の撮影(ロケ)や舞台挨拶、CDの録音やジャケット写真の撮影、写真集の撮影…等々芸能活動でおよそ考えうるほとんどの活動が該当してきます。

 

 

さて、問題です。

これらの活動を行う人が、ワークショップや講演会等で、誰かに教えることを目的として来日する場合は、「興行ビザ」か「芸術ビザか」のどちらでしょうか?

 

先に述べたように、「興行ビザ」は“興行に係る活動”を行うものです。つまり、“ショービジネス”です。

よって、ワークショップや講義・講演等の活動は、「興行ビザ」ではなく「芸術ビザ」に該当すると解されるのが一般的です。

 

ところが、この二つのビザの場合、

例えば、ベリーダンサーがショーに出演する。けれど別の日には、ベリーダンス教室で講師を務める、といった具合に、

同じ人物が、活動する内容によって、「芸術」であったり「興行」であったり、場合によっては両方の活動を1回の来日中に行うことも十分にあり得ます。

 

しかし困ったことに、在留資格は2種類を同時に持つことはできません。

では、どうすれば??

 

こんな時に登場するのが「資格外活動許可」です。

これは、例えば「留学ビザ」や「家族滞在ビザ」の学生がアルバイトをするときなどに使われることが多いのですが、

持っている在留資格の活動“以外”の活動を行う場合に、申請することができます。

 

上記のようなベリーダンサーのケースの場合、

来日中のどちらの活動がメインなのかにもよりますが、

「芸術ビザ」の資格で来日し、「興行」の資格外活動許可を取得するか、

「興行ビザ」の資格で来日し、「芸術」の資格外活動許可を取得するか、

のいずれかの方法を取ることで、

1回の来日中に両方の活動を行うことが可能になります。

 

ただし、「資格外活動許可」は日本に入国後でなければ申請できません。

よって、スケージュール的に、

先にワークショップが開催されて、ショーは最終日!という場合は、

「芸術ビザ」で来日して、来日後すぐに「興行」の資格外活動許可を取得するのが妥当でしょう。

 

 

 

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